アボカド 図鑑と育て方
原産地:熱帯アメリカ
クスノキ科 常緑高木:大きいもので30mを越す。
発芽難易度:★★★★☆☆☆☆☆☆:常温で陳列されたアボカドから種を取ろう。 栽培難易度:★★★☆☆☆☆☆☆☆:生育旺盛で育てやすい。
栽培がいつごろ始まったか定かではないが、少なくとも5000年以上前から栽培されていた歴史ある果実だ。 グアテマラ系・メキシコ系・アンティル(西インド諸島)系と大きくわけて三つの系統が存在し、日本には主にメキシコ系のハス種が輸入され 年中スーパーなどに並んでいる。
世界一栄養価の高い果実といわれ、脂肪分に由来するバターのような風味から「森のバター」と呼ばれる。またこの果実に含まれる15%以上・改良品種で約20%近い脂質の およそ8割が、リノール酸・オレイン酸などの血中コレステロールを上昇させる心配のない不飽和脂肪酸である。
日本に輸入されるものは、ほとんどが未完熟である。果実を指で軽く押した時に固さを感じる場合は、20~25度の室温で柔らかくなるまで追熟させるとおいしく食べられる。 亜熱帯~熱帯原産の植物だが、品種によっては寒さにもよく耐えるので、日本でも静岡県や和歌山県などで栽培されている。
育て方
土壌:酸性で水はけの良いもの。例:赤玉小粒8:腐葉土2など
水やり:夏場は乾燥しやすいのでこまめに水やりをする。温度が下がってきたら水やりは控えめに。
日光:越冬や屋内での水耕栽培など、日光のあまり当たらない環境から屋外に出すときは、急に直射日光に当てないこと。ようすを見ながら遮光シートなどで徐々に光に慣らしていくことが大事。
☆種まき☆
水耕栽培の場合※詳しくはアボカドの水耕栽培に挑戦しよう!!をご覧ください。
- 種のまわりについた実は水を腐らせる原因になるので、うすめた中性洗剤などでしっかりと洗い落とす。
- 種の上下はとがった方を上(芽が出る方)として、真ん中より上側につまようじを3・4本ぐるっと1周等間隔にさす。
- つまようじを支えとしてプリンの容器などに種が1/3ほど水につかるように水を調整して入れる。
- 雑菌が繁殖しやすいためできるだけ毎日水を変えて、容器や種のヌルヌルも洗い落とす。
- 暖かい場所(20度くらい)で管理。
最初から鉢植えの場合
- 種のまわりについた実を、うすめた中性洗剤などでしっかりと洗い落とす。
- 清潔な土に、種が半分くらい顔を出すように植える。
- 暖かい場所(20度くらい)で表土が乾燥しないように管理。
※そのほか注意点ナド※
- 根が弱いので、植え替え・移動する時は傷つけないように気を付ける。
- 一部の品種を除き、フィトフトラ根腐れ病に弱いので、排水性の良い土づくりを意識すること。また植え替えの際は、根鉢を崩さないように気を付けること。
- 屋外栽培の場合、強風によって根が弱ったり・植物体が倒れたりすることも考えられるので、可能であれば風よけをする・支柱を立てる・風のあまり当たらない場所に置くなどの対策をする。
- 水耕栽培の場合、1か月ほどで発芽。そのあと鉢植えに切り替える。
- 実生から4~6年で開花(うまくいけば結実)する。
- 耐寒性のある品種の場合に限り、東京より西での露地植え(屋外で)栽培も可能だが、幼苗のうちは5度以上で室内管理したほうが良い。メキシコ系統の品種では、-6℃~-4℃の耐寒性のあるものが存在するが、 そういった品種の場合にも、1年目は屋内の寒風が当たらない場所で越冬、2年目は露地植えで不織布などを巻きつけて、3年目は覆いなしでの越冬など段階を踏んで外気に慣らしていこう。
- 発芽の可能性を上げるために、常温で売られているアボカドを選びしっかり追熟させてから、食べたその日に種をまこう。
- 充実した種(大きな種)が入っているかもしれないアボカドの目利き(スーパーなどで売られているハス種の場合)→通常は細長い果実が多いが、なかにはやたら丸い果実がある。 そういった果実は、比較的大きな種が入っていることが多い気がする。また熟度が同じ段階の果実(熟した果実)が置いてある場合には、常識的な範囲で握り比べてみると、種が大きな果実の方はわずかに固い感触を返してくる。 種の大小による生育への影響に関しては、一概には言えないと思うので、この目利きはあくまでおみくじ的な遊び感覚で楽しむのが吉。
- 品種によって雄花・雌花の開花する時間帯が異なる。これはAタイプ・Bタイプの2つの開花タイプに分けられる。結実を確実にしたい場合には、AタイプとBタイプ両方の品種をそろえる必要がある。
種からはじめるアボカド栽培記
01.種からはじめるアボカド(2016/05/15~12/17)