Durio zibethinus ドリアン 図鑑と育て方
原産地:マレー半島、ボルネオ島
パンヤ科 常緑高木:大きいもので20mを越すものもある
発芽難易度:★★★★☆☆☆☆☆☆:温度(28度以上)が足りていればよく発芽する。 栽培難易度:★★★★★☆☆☆☆☆:渇き気味に管理すると失敗しやすい。
赤道直下で栽培され、果物の王様と呼ばれる純熱帯植物である。マレー語で「ドリ」は”トゲ”を、「アン」は”もの”転じて”果実”の意。 種小名のzibethinusは「じゃ香のような香りをもつ」といった形容詞。 全身をトゲで覆われた恐ろしいその姿は、大航海時代に東南アジアへやってきたポルトガル人に、果物の魔王(サタン)と呼ばれたとか。
味はクリームのように濃厚でねっとりと甘く、どこかチーズのような風味もある。 とても好き嫌いが分かれる果物で、臭すぎて耐えられないという人やそこまで気にならないという人がいる。
これは人の嗅覚は個人差がはげしいので、特定のにおい(ドリアンの場合はたまねぎの腐敗臭に似たインドール誘導体)を感知 しやすい人とそうでない人がいるからである。
またドリアンとアルコールの食べ合わせが危険というのは原産地の人にも広く流布されている「迷信」であり、 もしこの組み合わせで体に異常が起きてもそれはただのドリアンアレルギーかお酒に弱いだけである。ちなみに種子はジャガイモのように粉っぽく、一応食べられる。
ドリアンは根が敏感なことで知られ、樹のそばが人や動物の通り道になっただけで、果実の味が変わってしまうと言われる。 ドリアンが落果した直後にそのあたりの地面に杭を打ち込むと、その落果した果実まで味を変えてしまうと言われるほどで、この言葉だけでどれだけ根が敏感かが分かるだろう。
育て方
土壌:観葉植物の土でもなんでも良い。例:赤玉小粒7:腐葉土3など
水やり:乾燥させないで湿り気味で。
日光:日本の夏の直射日光には弱いので、遮光が必要。
☆種まき☆
- 食べたその日にまいたほうが発芽率は良い。
- 熱帯性の植物は種のまわり(果肉)に発芽を抑制する物質が含まれていることが多いので、果肉はしっかり水で洗い流して取り除く。
- 鉢に種をおき、軽く土をかぶせる。
- 水をたっぷりやり、直射日光のあたらない暖かい場所(28度以上)に置き乾燥させないように注意する。
※そのほか注意点ナド※
- 根が敏感なので植え替えや土の乾燥に注意する。
- 植え替えは根が鉢いっぱいになる前に早めに植え替えるが、生長がおそいので2、3年に1回でよい。
- 冬でもある程度の温度(15度以上)を確保して、土を乾かさないようにする。
- 冬は人が過ごしている場所に入れてやれば、なんとか冬越しは可能。日中は居間、夜は寝室など。
- 移動の際は根に細心の注意を払う。
- 川辺に生えている近縁種もあるので、根腐れには強いと考えられる。
- 幹や葉からはドリアンを枯らしてしまう菌が侵入しやすいため、屋外に出す場合は雨ざらしのところに置かず、雨対策・強風対策をしっかりすること。
- しつこいようだが乾燥にはとても弱い。